株主・投資家の皆さまへ

メック株式会社
代表取締役社長前田 和夫

 株主、投資家の皆さまには、平素より格別のご高配を賜りまして誠にありがたく、厚くお礼申し上げます。
新型コロナウィルスCOVID-19は、世界中で人々の社会活動・経済活動に甚大な悪影響をもたらし、いまだ拡大傾向にあります。その一方で、ワクチンの開発が進むといった明るい兆しも見え始めています。そのような中、当社の台湾・中国の子会社は、それぞれのテリトリー内において、ほぼ平常の事業活動を取り戻しています。当社グループ各社は各国各自治体の指示・指導に従いながら、社員をはじめとする関係者の安全・衛生を第一に、増えるクラウド需要等の社会ニーズにこたえるべく、慎重かつ臨機応変に企業活動を進めてまいります。

 当社は、全てのモノがインターネットに繋がるIoT(Internet of Things)や、AI(人工知能)、それらを支える5G通信網等幅広いエレクトロニクス分野を支える電子基板や電子部品の高機能化と、生産性向上に必要な工業用特殊薬品を開発、製造、販売することを主要な業務とする、研究開発型の化学メーカーです。世界のニーズに応えるべく事業を展開してきました。

基幹となる技術は、

1.金属の表面粗化処理および分子結合による樹脂との密着性向上
2.ディスプレイや半導体パッケージ、超高密度配線板等に必要な微細配線のためのエッチング処理
3.ニッケル・アルミ等の様々な金属を対象とするエッチング処理および異種材料結合技術

であり、これらを効率よく開発するために必要なデータを集積し、分析し、応用展開することによって、社会に求められる技術を生み出し育むために、研究開発力、マーケティング力を高めてまいります。

 当社は、台湾、中国、欧州、タイに子会社工場を設立し、製造、販売等の業務を遂行しています。これら子会社では地域におけるお客様の要求に応えるため、幅広い技術サービスも提供しています。当社グループのグローバルネットワークとして、アジアにおいては、台湾・中国・東南アジアを子会社4社で、韓国・日本国内は日本本社がカバーしています。また、情報発信源として重要な米欧については、欧州子会社と本社が連携して活動しています。研究や技術開発は、現地のニーズを汲み上げつつ、主として本社がその役割を担っています。

 さて、昨今のエレクトロニクス業界においては、スマートフォン需要の成長が一段落し、自動車関連分野の減速が見られました。また、アメリカ大統領選挙が終わりましたが、米中貿易摩擦の世界経済への影響が引き続き懸念されています。その一方で、IoT・AIの浸透・融合に伴い、データ収集・集積・分析を行うサーバー・センサー・メモリーの需要が近い将来大きく増加し、5Gの普及に伴う高速化がさらなる進化をもたらすと考えられています。その結果として、クルマの自動運転や遠隔医療の実用化などの進展が期待され、新しい社会が出現する転機を迎えることになるでしょう。

 このような環境のもと、当社におきましては、種々のイノベーションの過程で顕在化するニーズに的確に応え、革新的なテクノロジーの実用化に貢献できるようなシーズを生み出し育めるよう、独創的な技術開発力にさらに磨きをかけるとともに、エレクトロニクス業界および関連する業界、参入が可能な事業領域についてのグローバルな動向把握と潜在需要の掘り起こしに努め、高い品質の製品と技術サービスを提供してまいります。

 当社薬品では、半導体を搭載するパッケージ基板に幅広く使用される密着向上剤「CZシリーズ」は、メモリーやセンサー、プロセッサー向け、そして高い信頼性が要求されるクルマの先進運転支援システム(ADAS)用等の需要が増加し、「EXEシリーズ」は薄型テレビを中心とするICパッケージの高密度化に対応した微細配線形成用で高いシェアを獲得しています。情報伝達のスピードアップに対応するために、粗化せずに平滑面を維持したままの分子結合による密着向上剤については、高速伝送分野において採用され、今後この分野で必要不可欠な薬品プロセスとして、製品開発が順調に進んでいます。

 当社は、これから大きな成長が期待されるインターネットのインフラ用や、そこにつながってくるクルマ用、ディスプレイ用や、今後も高性能機種の大量生産を求められるスマートフォン用等に、新製品や既存品の改良品を投入し、足元の景況感に左右されることなく中長期的な成長戦略を描き、日々の業務を遂行してまいります。また、従前より社外社内・男女の別を問わず、有能な人材による多様な価値観を経営に活かすよう心掛けており、より多くの社会貢献を実施し、企業価値を高めるよう努めてまいります。

 最後に、研究所、生産工場、営業部門、本社機能を統合した尼崎事業所を最大限に活用して、開発改良のスピードアップと製品品質の安定による客先へのサービスの向上、環境・安全への配慮とワークライフバランスの実現、さらには新しい職場環境で研究員の発想力・想像力を高め、新たな技術を生み出していくこと等により、事業推進力の強化を実現してまいります。

 役員従業員一同、今後とも皆さまのご支援・ご期待に沿えるよう全力で取り組んでまいる所存でございますので、なお一層のご指導ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。皆さまのご多幸、ご健勝を心よりお祈り申し上げます。

2020年11月

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